横に倒すと痛い!片足立ちで痛い!
そんなあなたの腰痛の原因と、ご自宅でできるセルフケアについてお伝えしたいと思います。

【レッドフラッグの除外】
最初にお断りしておきますが、腰痛には色々な原因があり、厳密な診断は医師にしかできません。中でもレッドフラッグといわれる危険な腰痛(腫瘍、感染症、骨折など)は医療機関でしか扱えません。
安静にしていても強い痛みがある、転倒後に痛む、癌の既往がある、発熱がある、体重減少があるなどの場合は、レッドフラッグの可能性がありますので、医療機関の受診をお勧めます。
【あなたの腰痛のタイプはどれ?】
上記に当てはまらない方は、腰を色々な方向に動かしてみて下さい。
①身体を前に倒す
②後ろに反らせる
③左右に倒す
④左右にひねる
やはり③の横に倒すと一番痛い!という方は、これからお伝えする記事をお読みになって実践してみて下さい。
他の動きの方が痛かった!という方は、他のタイプの腰痛についても書いていますので、そちらを参考になさって下さい。
【横に倒すと痛い腰痛の原因】
体を横に倒すと痛い人の中にも色々なタイプがありますが、今回は、横に倒すことによって片方の足に体重がかかって痛むタイプの腰痛について書きます。
このタイプの人に多いのは、大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)の使いすぎです。大腿筋膜張筋は、下の図の青の部分で、股関節の外側を支えている筋肉です。

体が傾いたり片足で立つときに、股関節外側で頑張って支えるのが、この大腿筋膜張筋とその後ろの黄色で囲った中殿筋(ちゅうでんきん)です。
見て頂くとわかるように、中殿筋の方が圧倒的に大きいので、こちらを中心に使うのが合理的なのですが、大腿筋膜張筋を優位に使っていると疲れて痛みの原因になります。
【横に倒すと痛い腰痛に対するセルフケア】
ぎっくり腰的に痛めてしまった場合は、筋肉などの損傷や炎症が起きている可能性がありますので、痛みのピークが過ぎるまで1~2日間の安静、痛みが我慢できない場合は、医療機関で痛み止めの注射や処方を受けることをお勧めします。
慢性の痛みや、急性でも痛みのピークが過ぎたら、大腿筋膜張筋をほぐし、中殿筋を使う練習をやりましょう。(※痛みが出る場合は中止して下さい)
【ステップ1.大腿筋膜張筋の筋膜リリース】
まず、大腿筋膜張筋の筋膜リリースを行います。
下の写真のようなフォームローラーやテニスボールなどを、痛む側の大腿筋膜張筋に押し当て、股関節を5回程度曲げ伸ばしします。

【ステップ2.大腿筋膜張筋のストレッチ】
次に、大腿筋膜張筋をストレッチします。
痛む方の膝をついて片膝立ちになります。痛む方の手を天井に突き上げます。

そこから、大腿筋膜張筋(赤い部分)のストレッチ感を意識しながら上体を横に倒していき、限界まで倒したら2回深呼吸を5回行います。

【ステップ3.中殿筋を使う練習】
最後に、中殿筋を優位に使う練習をします。(※痛みが出る場合は中止して下さい)
横向きで膝を90度に曲げ(こうする事で大腿筋膜張筋が働きにくくなります)、肘で上体を支えます。体は一直線にし、上側の脚は床と平行の位置まで上げます。股関節が曲がらないようにしっかり伸ばしてください。

その状態で、ひざ90度のまま上側の股関節を曲げ伸ばしします。つられて腰が丸まったり反ったりしないように気をつけて下さい。左右各10回行います。

これは、筋トレではなく「正しい動きのクセをつける」トレーニングなので、回数よりフォームが重要です。
よく、「筋力が弱いから痛むんだ」「だから鍛えるんだ」という方がいらっしゃいますが、ほとんどの場合、的外れです。
正しくは、「使われすぎている筋肉をほぐしたり伸ばし」「本来使われるべき筋肉を使う練習をする」です。
【それでも腰痛が治らないという方へ】
はじめにお書きした通り、腰痛の原因には色々あり、横に倒すと腰が痛むすべての人が、このエクササイズで良くなるわけではありません。
セルフケアだけでは難しく、治療や施術が必要なケースもありますのでご相談ください。
【まとめ】
・体を横に倒すと腰が痛い人は、大腿筋膜張筋に負担がかかっているかもしれません。
・大腿筋膜張筋の筋膜リリースをやりましょう。
・大腿筋膜張筋のストレッチをやりましょう。
・中殿筋を優位に使う練習をしましょう。
・それでも痛む場合は、専門家に相談しましょう。
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